ハウスダストの原因とアレルギーや病気の関係

ハウスダストとアレルゲン

ハウスダストの原因

ハウスダストとは、広い意味で言えば家の中の塵やホコリのことですが、その言葉には単なる塵やホコリだけでは済まされない問題が潜んでいるのです。

室内のホコリというとあまり汚れていなそうなイメージもありますが、室内だからこそ有害な物質が含まれている可能性もあります。
まずそこに暮らす人やペットなどの毛やフケ、カビ、そしてダニやそれらのフンがそれにあたります。

特にダニやそのフンはアレルギーの原因となるアレルゲンとして問題視されています。
更に人や動物のフケや毛などはダニのエサとなる為、ハウスダストを放置することで、新たなアレルギーを発症したり、元々あったアレルギーが悪化することもあります。

アレルギーは体に入ってきた異物を排除するために免疫反応が過剰に起こることを言いますが、その症状や原因は多岐に渡り、日常生活で知らず知らずアレルゲンを取り込んでいる場合があります。

また単純にホコリが多い環境で生活すると鼻毛が伸びるといった話もよく聞きます。悪い第一印象のポイントはフケや鼻毛と言われているように、清潔感を保つには鼻毛のケアやフケ対策などが一般的になってきています。そういった部分に無頓着と思われてきた男性が最近では鼻毛処理はもちろん、ヒゲ脱毛や脛毛、ムダ毛処理をおこなっています。身だしなみをしっかりするには住空間を快適に保つことも重要になってくるでしょう。まずはハウスダストの正体やそれによって引き起こされる症状や除去方法を知り、快適な生活を送れるよう対策を取っていきましょう。

ハウスダストが原因の病気

ハウスダストからのアレルギー性鼻炎
主にハウスダストが原因で発症する病気をご紹介します。

アレルギー性鼻炎

アレルゲンに反応して鼻腔内に炎症が起こり、突発的で繰り返すくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状があります。
一年通して起こる通年性と、特定の季節にのみ起こる季節性のものがあり、季節性のものはいわゆる花粉症と呼ばれるものです。
そして通年性のものが、ハウスダストが原因であり、日本人の4人に1人が発症しているといわれています。
症状から風邪と間違えやすいので、一年中症状があり風邪薬が効きにくいと感じている人は耳鼻科を受診して、アレルギーの検査をしてみることをお勧めします。

アレルギー性結膜炎

目の表面にアレルゲンが付着して、まぶたの裏側と白目を覆う粘膜に炎症が起こります。
こちらも通年性のものと季節性のものがあり、季節性のものは花粉によって引き起こされます。
通年性はやはりハウスダストによって発症することが多いですが、コンタクトレンズの使用による汚れなどから発症することもあります。
症状は目のかゆみ・充血・目がゴロゴロする・目の異物感などです。
特に目のかゆみがひどいですが、目をこすったりすると大事な目を傷つけてしまうこともあるので注意しましょう。

気管支喘息

喘息(ぜんそく)は慢性的に気道に炎症があり、発作的に呼吸困難や激しい咳などの症状が起こります。
気管支喘息には1~2歳の頃から発症する小児性のものと、成人してから発症するものがあり、最近では40歳を超えてから発症する人も増えてきています。
喘息の症状も風邪と似通っていて、長らく発症に気づかず悪化させてしまうこともあります。
また、発症の原因も様々でハウスダストがアレルゲンとなるアレルギー性だけでなく、風邪の悪化から発症したり、ストレスが原因となる場合もあります。
なかなかおさまらない咳が続いたり、呼吸困難があった場合は早めに受診をして原因を特定するようにしましょう。

アトピー性皮膚炎

アレルギー反応により引き起こされる皮膚の炎症や湿疹。
皮膚が乾燥しやすく、皮膚を守るバリアー機能の異常を伴い、ちょっとした刺激やアレルゲン物質に反応しやすく、慢性的なかゆみや湿疹があり、症状がぶり返すことが特徴として挙げられます。
遺伝による発症が高く、ハウスダストの他に特定の食物や乾燥、物理的刺激などからも発症・悪化する恐れがあります。

ハウスダスト対策

ハウスダストによるアレルギー症状がすでに出ている場合は、早急にハウスダスト対策をする必要があります。
まだ症状が出ていない場合でも、ハウスダストを放置していると少しずつ蓄積されていくので早めの対策が有効です。

ハウスダストの対策法として、家の中のハウスダストを除去することとハウスダストを吸引しないようにすることが重要であるといえます。

ハウスダストはいわゆるゴミなのできちんと掃除をして清潔にしていれば大丈夫だと思いがちです。
しかし特にアレルギーを引き起こしやすいダニの死骸やそのフンなどは目に見えないほど小さく、また普通に掃除しただけではなかなか除去しきれないのがやっかいです。

更にダニは布団の中やソファ、じゅうたんなど布製品の内部に棲息していることが多く、掃除機だけでは取り切れなかったり、逆にホコリとして空気中に舞い上げてしまうこともあるので、掃除中はマスクをするなどできるだけ吸引しないように注意しましょう。
昔からダニに有効とされてきた布団干しですが、バンバン叩くことで逆にダニを布団内部に押し込めてしまったり、
太陽光の熱だけではダニを殺しきれないとも言われています。
結構な重労働であり天候に左右される布団干しに変わって、優れた布団乾燥機や布団用掃除機などを利用してこまめにダニ対策に取り組めるようになっています。

ダニを増やさないためにも、ダニのエサとなるフケや毛なども蓄積させないようこまめに掃除しましょう。
除菌効果のあるスプレー剤なども、ハウスダストが舞い上がるのを抑えられるので効果的です。
その他に普段から換気や風通しをよくしてダニが繁殖しにくいよう湿気をこもらせないようにしましょう。

またダニ対策のしてある布団やシーツを使用したり、ぬいぐるみは洗えるものを置くようにしたりなど、ちょっとした工夫からハウスダスト対策はできます。

ハウスダスト除去方法

それでは具体的なハウスダストの除去方法をご紹介します。

布団

主なアレルゲンであるダニは熱や薬等で死滅させたとしても、その死骸やフンが原因となるので、その後は必ず掃除機で除去することが重要です。
掃除機をかける頻度は一日おきが理想的ですが、三日に一度か少なくとも1週間に一度はかけるようにしましょう。

表面だけでなく内部に潜んでいるダニも除去できるように1か所につき10秒~20秒程じっくり吸引しましょう。
普通の掃除機はシーツが張り付いて掃除しにくいので、布団用掃除機か布団用のノズルに替えると便利です。 

また、せっかく吸引したものが排気から排出されないように目の細かいフィルターのものが望ましいです。

じゅうたん、畳

じゅうたんや畳にも表面には見えない内部に多くのダニが潜んでいます。
じゅうたんの繊維にハウスダストが絡んでいたり、畳の目の間に入り込んだものはなかなか簡単には除去できないので、こまめに掃除機をかけるようにしましょう。
掃除機は縦方向と横方向の両方からかけるようにし、20秒ほどかけてしっかり吸引します。

フローリング

フローリングの床にはダニは生息していませんが、布団や衣類から舞い落ちたハウスダストが蓄積しているので油断は禁物です。
また、フローリングに落ちたホコリはまたすぐ舞いあがってしまうので、吸引しやすくなるのでこまめな掃除が必要です。

掃除方法についても注意が必要で、掃除機を使うと排気によって更にハウスダストを舞い上げてしまうため、ホコリを立てずにしっかり吸着するモップを使うのが良いです。
更に先にモップやぞうきんがけをしてホコリを除去し、その後大きなゴミを掃除機で吸引するのも効果的な掃除方法のひとつです。

ソファ

床をフローリングにするとソファやクッションを置く頻度が高くなるので、それらの布製品は布団と同様に念入りな掃除が必要になります。
特にソファは動かしたり洗うことが難しく、背もたれとの狭い隙間にゴミが溜まりやすいので、掃除機は細いノズルを使用したり、洗えるカバーなどをかけるとハウスダスト除去もしやすくなります。

こまめな掃除の継続が何よりですが、掃除をしやすくする素材や製品を使うことも継続させるポイントですね。

ハウスダストが子供に与える影響

ハウスダストは大人はもちろん、子供にとってもアレルギーを引き起こす原因になり得ます。

小児喘息は家系にアレルギーを持つ人がいると発症することが多い遺伝的な要因が大きいですが、ハウスダストが身近にあると喘息が悪化したり、アレルギー鼻炎やアトピー皮膚炎なども併発しやすくなります。
子供の頃は自分の症状が何によって起こるのかも理解できず、症状を正しく伝えることも難しいため、大人がその発症を把握するのが遅れて、治療や対策も遅れてしまう恐れがあります。

また、アレルギーの症状はかゆみを伴うことが多いため、皮膚をかきむしってしまったり、目や鼻がかゆいからと、こすって粘膜を傷つけてしまう危険性があります。
子供のアレルギー症状が悪化したり長引いてしまうことがないよう、普段から子供の変化に気を付けて、ハウスダストにも極力触れさせないようにしたいですね。

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